30分で英語がざっくり読めるようになる文法講座
極論をいえば、単語と文法がわかれば英語は読めます。
でも英単語はマジで無限にあるし、文法もちゃんと勉強するには↓こんな分厚い本を読まないといけません。
「ちょっと厳しいかも・・」と思いませんか?
分厚い参考書を使って単語や文法をガンガン覚えている人もたくさんいますが、僕にはどうしても無理でした。
「今度こそ!」と思って新しい単語帳や文法書を買っても、いつも20ページぐらい読んで挫折・・
そんな僕でもTOEIC875点を取れた勉強法が「英語多読」です。
英語多読とは、「海外の子供向け小説を読みまくって英語に慣れる」という勉強法。
参考書はまったく続かなかった僕ですが、小説ならストーリーがあるので楽しく続けられました。
(このブログでは英語多読を軸にした勉強法をくわしく解説しているのでぜひ読んでみてください)
ただ、英語が苦手な人がいきなり英語で書いてある小説を読むのはなかなか大変です。
僕はいろんな理由があって気合でがんばったんですが、挫折してしまう人も多いと思います。
そこでこの記事では、「英語を『ざっくり読む』ことに特化した英文法」を解説していきます。
「ざっくり読む」とは、「完璧に理解してるわけじゃないけど、小説のストーリーをなんとなく楽しめる」ぐらいの読み方です。
英語をざっくり読むだけなら複雑な文法は必要ありません。
文法書がなぜあんなに分厚くなるかというと、文法書のゴールは「英語を完璧に理解したり、自分で英文を組み立てられるようになること」だからです。
1冊だけで英文法をバッチリ身に着けてもらうためにどんどん分厚くなってしまうんです。
この記事のゴールは「英語をざっくり読めるようになること」なので、かなりコンパクトに文法をまとめられています。
できるだけ文法用語は使わず、僕の「最初からこうやって教えてほしかった・・」をすべてギュッと詰めこんだので、これから英語をがんばりたい人におすすめです。
30分くらいで読み切れると思うので、ぜひ読んでみてください。
この枠の中の内容はすこし細かい話なので、最初は読み飛ばしてOKです。
2周目以降に目を通してみてください。
英語はたった2パターン!
学校では「英語は5つに分けられる」と習います。(SVOCとかいうやつです。マジで嫌ですね)
いきなり5個に分けるのは細かすぎるので、まずは次の2個だけでOKです。
- A⇒B:「AがBに〇〇する」
- A=B:「AはBだ」
順番に説明していきます!
①A⇒B 『I love you』タイプ
「I love you」は「わたし」が「あなた」を「Loveする」という形になっています。
「わたし(A)」から「あなた(B)」に向かって「⇒:愛す」という矢印が伸びている「A⇒B」の形です。
- A :わたし(主役)
- ⇒:愛す(行動)
- B :あなた(相手)
英語は基本的に「主役⇒相手」の順番になります!
②A=B 『This is a pen』
「This is a pen」は「これ=ペン」という形。
「これ(A)」と「ペン(B)」はイコールですよ~という「A=B」の形です。
これも「主役=相手」の順番!
「a pen」の「a」ってなんなんだよ!と思いますよね。
「a」と「the」は簡単そうに見えて実はめちゃくちゃ難しいので、いまは気にしなくてOKです。
「品詞」で英語をシンプルに!
英語をよりシンプルに考えるために必要なのが「品詞」という考え方です。
「うわ、文法用語・・」ってなると思いますが、品詞はそこまで難しくありません。
品詞は英単語を「使い方」ごとにグループ分けしたものです!
特に大事な品詞は次の4つ。
- 動詞:動作を表す
- 名詞:物の名前を表す
- 形容詞:「名詞」を説明する
- 副詞:「名詞」以外を説明する
なかでも大事なのは「動詞、名詞、形容詞」で、この3つがあれば英語の「骨組み」を作ることができます。
それぞれの品詞の役割について説明していきます!
品詞は全部で10個あります。いまは気にしなくてOK!
- 動詞
- 名詞
- 形容詞
- 副詞
- 代名詞(he,she,theyなど)
- 助動詞(can,must,shouldなど)
- 前置詞(on,in,atなど)
- 冠詞(aとthe)
- 接続詞(and,but,orなど)
- 間投詞(oh,wowなど)
動詞:動作を表す単語
「動詞」は動作を表し、「A⇒B」「A=B」の矢印とイコールにあたる単語です。
love(愛す), come(来る), go(行く)など。
英文には必ず動詞が含まれます!
矢印(⇒)にあたる単語は「一般動詞」と呼ばれ、ほとんどの動詞がこっちです。
イコール(=)にあたる単語「be動詞」と呼ばれ、「am、are、is、was、were、been」だけです。
「一般動詞」は「A⇒B」に使われますが、何個か「A=B」で考えた方が理解しやすいものもあります。
- look:〜に見える
- sound:〜に聞こえる など
例えば「You look happy(あなたは幸せに見えるね!)」は「you = happy」です。
「A⇒B」の応用編として、「A⇒BC」のようなパターンもあります。
(AがBにCを〇〇したとか、AがBをCにしたとか)
「A⇒」のようにBがないパターンも。
(Aが走ったとか、Aがジャンプしたとか、相手がいらない動作の場合)
いまは「そんなのがあるんだな」ぐらいでOKです。
動詞の後に「s」がつくことがありますが、これは「三単現のS」といいます。
He loves me.
三人称(わたしとあなた以外)で、単数で、現在形の動詞には「s」を付けるという謎ルールです。
英語を書くときには大事ですが、読むときは別に関係ないので無視してください。
名詞:物の名前などを表す単語
名詞は物の名前などを表す単語(dog, cat, boy)で、「A」と「B」の部分に使われます。
ちなみにI, you, she, me, him なんかは「代名詞」という名詞の仲間で、同じく「A」と「B」に使われます。
「Go!(行け!)」などの命令形をのぞき、名詞は英文に必ず含まれます!
学校で「アイ, マイ, ミー, マイン」とか「シー, ハー, ハー, ハーズ」って謎の呪文を唱えた記憶ないですか?
この呪文は代名詞の変化を表したものです。
- I, my, me, mine
- you, your, you, yours
- he, his, him, his
- she, her, her, hers
- they, their, them, theirs
代名詞を「A」として使うときは赤字の形、「B」のときは緑字の形になります。
ちなみにmyは「私の〜」で、mineは「私のもの」です。
形容詞:名詞を説明する単語
形容詞は物の性質や状態などを説明する単語で、「A=B」の「B」として使われます。
例えば、「The girl is cute」では「cute」が形容詞です。
The girl = cute (その女の子=かわいい) という型になってますよね。
形容詞はA=BのBになるのが基本!
でももう1つの使い方もあります・・
名詞の前に形容詞をつけることで、その名詞を詳しく説明することができます
例えば次のA⇒Bの英文で、形容詞がない場合。
The girl loves me!
:その女の子はオレのことが好きだ!
「女の子に好かれている」という自慢はできてますが、「どんな女の子なのか」がわかりませんよね。
もし、「その子かわいいんだよね~( ´_ゝ`)」と自慢したいのであれば、girl(名詞)の前にcute(形容詞)をつけます。
The cute girl loves me!
:あのかわいい子がオレのこと好きなんだよね~( ´_ゝ`)
cute(形容詞)がなくても英文は成立しますが、cuteがあることで情報が増えますよね!
「cute girl」は「A」としても「B」としても使うことができます。
- I love the cute girl.
(わたしはあのかわいい子が好きです。『A⇒B』のB) - The cute girl is my girlfriend.
(あのかわいい子はわたしの彼女です。『A=B』のA) - She is a cute girl.
(彼女はかわいい女の子です。『A=B』のB)
副詞:名詞以外を説明する単語
ここまで説明してきた「動詞、名詞、形容詞」だけでも「英語の骨組み」を作ることができます。
でも「副詞」を使えば英語の表現をもっと豊かにすることができます。
いきなり細かく説明すると難しいので、例文を使って「副詞」の紹介をします!
The cute girl loves me.
:そのかわいい女の子はオレのことが好きだ!
↑この英文に副詞を3つ足してみます。
The extremely unbelievably cute girl seriously loves me!
- extremely:極めて、めちゃくちゃ
- unbelievably:信じられないくらいの
- seriously:真剣に、マジで
⇒その「めちゃくちゃ」「信じられないぐらい」かわいい女の子はオレのことを「マジで」好きだ!
英語としても日本語としてもわけわかんない文章ですが、説明のためなので許してください笑
それぞれの副詞がどんな役割をしているのか説明していきます!
副詞の役割1:動詞を説明する
まず、「seriously:真剣に、マジで」から。
The cute girl seriously loves me!
:そのかわいい女の子はオレのことを「マジで」好きだ!
「seriously」は「love」という動詞の意味を強めていますよね。
あの子、オレのこと『軽い気持ち』じゃなくて『マジで』好きなんだぜ!
というニュアンスです。
こんな感じで、副詞は動詞の補足説明をすることができます!
副詞の役割2:形容詞を説明する
次に「unbelievably:信じられないくらいの」です。
The unbelievably cute girl loves me!
:あの「信じられないぐらい」かわいい女の子はオレのことが好きだ!
unbelievablyは「cute」という形容詞の意味を強めています。
あの子って『ちょっとかわいい』ぐらいじゃなくて『信じられないぐらいかわいい』んだよね~( ´_ゝ`)
という超ノロケですね。
副詞は形容詞の補足説明もできます!
副詞の役割3:副詞を説明する
最後に、「extremely:極めて、めちゃくちゃ」です。
The extremely unbelievably cute girl loves me!
:その「めちゃくちゃ」信じられないぐらいかわいい女の子はオレのことが好きだ!
extremelyは先ほど説明した「unbelievably」という副詞を強めています。
『信じられないくらいかわいい』ってレベルじゃなくて『超絶かわいい』んだぜ!
というベタ惚れ状態です。
副詞はこんな感じで副詞の補足説明もできるんです!
副詞は「動詞、形容詞、副詞」を説明することができるということをお伝えしていきました。
「あれ、名詞は?」と思われたあなた、鋭いです!
副詞は名詞を説明できません!
名詞を説明するのは形容詞の仕事だからです!
下図の通り、形容詞は名詞を説明するんでしたよね↓
副詞の役割4:文全体を説明する
副詞は「単語の説明」だけじゃなくて、「文の全体」を説明することもできます。
Seriously, the girl loves me.
:マジなんだって!あの子オレのこと好きなんだって!
副詞を文のはじめに置くことで、「The girl loves me」という文をまるごと説明しています。
信じてないだろ!マジなんだって!
という念押しに使えます。
「副詞は名詞以外なら何でも説明できる」と覚えておけばOK!
英語には「大事なものほど前に出す」という基本ルールがあるので、
「副詞をどこか置くか」によって、英語のニュアンスがちょっとだけ変わります。
- The girl loves me seriously.
副詞がいちばん後ろ。『あの子がオレのこと好き』という事実が大事で、真剣さはオマケ。 - The girl seriously loves me
副詞が真ん中。『あの子がオレのこと好き』なのは前提で、『真剣』という事実が大事。 - Seriously, the girl loves me.
副詞が最初にくる。『マジなんだって!』という感じ。これは文全体を説明するパターンです。
骨組み以外の単語は飛ばしてもOK!
一旦まとめです!
ここまで、品詞を意識して英語をシンプルに考える方法をお伝えしました。
次の4つの図を見ればここまでの内容をざっくり思い出せると思います。
- 英語は「A⇒B」と「A=B」の2パターンだけ
- 英語の骨組みは動詞、名詞、形容詞で出来ている
- 形容詞は名詞を説明できる
- 副詞は名詞以外(文全体も)を説明できる。
文法書を読むと複雑な文法がたくさん書いてありますが、英語の基本はめちゃくちゃシンプルなんです。
大事なのは、「A⇒B」と「A=B」の骨組み以外は無視しても意味がわかるということ。
The extremely unbelievably cute girl seriously loves me!
↑こんなに長い英文も、骨組みは「The girl loves me」だけです。
「その子がオレのこと好き」という事実が重要で、他はオマケですよね。
もちろん「extremely」や「unbelievably」の意味がわかった方がいいですが、わからなくてもそんなに困りません。
知らない単語は一生なくならないので、英語を読むときは「これは骨組みの単語じゃないから飛ばしてもいっか!」という意識がめちゃくちゃ大事です。
ここまで理解できれば、英語を読むのがかなり楽になります!
【上級編】英語が複雑になる4つの理由
英語の基本はめちゃくちゃシンプルですが、とはいえ英語ってめちゃくちゃ複雑ですよね。
英語が複雑になるのは、主に次の4つのせいです・・
- 関係詞
- 句と節
- 動詞の活用
- 完了形
↑こんな文法用語を見ると気持ち悪くなりますよね・・
簡単にいうとこんな感じです。
- 関係詞
:2つの文がくっついて1つの文になる - 句と節
:「単語のかたまり」が形容詞や副詞になる - 動詞の活用
:動詞は変形して名詞、形容詞、副詞になる - 完了形
:過去の出来事が現在にも影響していることを示す
余計わからなくなったかもしれませんが、これから詳しく説明していくので安心してください!
わかればどれもシンプルです!
①関係詞:「A=B」の文や「A⇒B」の文がくっつく
関係詞は2つの文をくっつけて1つの文にする。
(これが関係詞:who, which, that, what, whose, where, when, why, how)
英語が複雑で長ったらしくなる最大の原因は「関係詞」です。
とにかく、関係詞は「A=B」の文や「A⇒B」の文をくっつけて1つの文にするものだと覚えてください!
関係詞はややこしいですが、わかるとシンプルで便利です!
例えば次の2つの例文。
- A⇒B:I have a friend
(僕には友達がいます) - B=C:my friend is a teacher
(僕の友達は教師です)
この2つの文を関係詞を使ってくっつけると・・
I have a friend who is a teacher.
:僕には教師をやっている友達がいます。
「A⇒B」と「B=C」を関係代名詞「who」でくっつけて「A⇒B(=C)」という1文にしています。
関係詞はめちゃくちゃよく使われるので、たくさん読んでるうちに慣れてきます!
色んなパターンがあるので、英語を大量に読んで慣れてみてください。
- I have a friend who plays tennis.
:僕にはテニスをやっている友達がいます。A⇒B(⇒C) - The girl who is a teacher plays tennis.
:その女の子(職業は教師)はテニスをします。A(=B)⇒C - This is the girl who I met yesterday.
:こちらは私が昨日会った女の子です
:A=B(C⇒B) ※2つ目のBは省略
どの例文も赤字部分は「A⇒B」か「A=B」になっていて、そこだけでも文章は成立しています。
この赤字部分が「英文の骨組み」です。知らない単語だらけの英文も、骨組みだけわかれば意味をなんとなく理解できます!
②句と節:単語のかたまりが形容詞や副詞になる
「単語のかたまり」が形容詞や副詞になる
「句」とか「節」とかの言葉はどうでもいいので気にしないでください!
実際の例文で説明してみます。
- This is a pen on the desk.
:これは机の上のペンです。 - I play tennis on Sunday.
:わたしは日曜日にテニスをします。
「on the desk」は「pen」という名詞を説明する形容詞の働きをしていて、
「on Sunday」は「play」という動詞を説明する副詞の働きをしています。
「on」とか「at」とか「in」とかは前置詞といいます。
前置詞が文の途中に入ってくると英語が長くなってややこしくなりますが、英語の骨組みは常に「A⇒B」と「A=B」です。
英語の骨組みは常にシンプル!
「骨組みに飾りがついてややこしくなってる」と考えましょう!
③動詞が変形して名詞、形容詞、副詞になる
「動詞」は変形して「名詞」「形容詞」「副詞」になる
動詞は変形するのでややこしいです・・
でも、日本語でも動詞は変形しますよね。
- 食べる:動詞
- 食べること:名詞
- 食べるための:形容詞
- 食べるために:副詞
- パスタを食べるためのフォーク
:「フォーク」という名詞の用途を説明する形容詞 - パスタをたくさん食べるために運動する
:「運動する」という動詞の目的を説明する副詞
英語における「動詞の変形」はこんな感じです。
- to + 動詞
- 動詞 + ing
- 動詞 + ed
たとえば動詞「play」だとこうなります。
- to play
- playing
- played
メインの意味はそれぞれこんな感じ。
- to play:プレイすること、プレイするための〜、プレイするために〜
- playing:プレイすること、プレイしている〜、プレイしていると〜
- played:プレイした、プレイしたこと、プレイされた〜、プレイされて〜
「動詞」「名詞」「形容詞」「副詞」
それぞれ例文で説明していきます!
to+動詞
- 【名詞】
To play tennis is fun.
(テニスをプレイすることは楽しい) - 【形容詞】
a racket to play tennis
(テニスをプレイするためのラケット) - 【副詞】
I go to the park to play tennis.
(私はテニスをプレイするために公園に行く)
動詞+ing
- 【名詞】
Playing tennis is fun.
(テニスをプレイすることは楽しい) - 【形容詞】
a girl playing tennis
(テニスをプレイしている女の子) - 【副詞】
Playing tennis, I am happy.
(テニスをプレイしていると、私は幸せだ)
中1で習う「現在進行形」も「動詞+ing」です。
She is playing tennis now.
(彼女は今テニスをプレイしている)
現在進行形の「動詞+ing」は形容詞!
「she」=「playing tennis」(彼女=テニスをしている)という「A=B」の文になってますよね!
動詞+ed
- 【動詞の過去形】
I played tennis yesterday.
(私は昨日テニスをプレイした) - 【名詞:あとで説明する『完了形』で使う】
I have played tennis for 3 years.
(私は3年間テニスをプレイしたことを持っています
⇒私は3年間テニスをした経験があります) - 【形容詞】
a game played for many years
(長年プレイされたゲーム) - 【副詞】
Played for many years, tennis became popular.
(長年プレイされて、テニスは人気になった)
④完了形:過去の出来事が現在にも影響している
過去の出来事が現在にも影響していることを示す
最後に、英語学習者の心を折りまくってきた「完了形」について説明していきます。
めちゃくちゃ難しいので、理解できなくても落ち込まないでください!
完了形の基本は「have+動詞+ed」です。
ここでの「動詞+ed」は名詞「~したこと」を表し、例えば「played」なら「プレイしたこと」になります。
つまり、完了形は「~したこと」を「持っている(have)」という形なんです。
「played」を「have」している
→「プレイしたことを持っている」
「~したことを持っている」⇒「過去の出来事を今も持っている」というイメージから、おもに次の3つの意味があります。
- 完了(ちょうど~したところだ)
- 継続(ずっと~している)
- 経験(~したことがある)
ピンとこないと思うので、例文で説明します!
- I have just played tennis.
→「ちょうどテニスをしたこと」を持っている
→「ちょうどテニスをしたところだ」
→終わった(完了した)ばかりなので、今も汗だく - I have played tennis since I was a child.
→「子供の頃からテニスをしたこと」を持っている
→「子供の頃からテニスをしている」
→昔から始めて、今もテニスを継続している - I have played tennis many times.
「何度もテニスをしたこと」を持っている
→「何度もテニスをしたことがある」
→今までに何度も経験がある
「過去」の出来事だけではなく、「現在」とも繋がりがあるのがポイントです!
一方で、「I played〜」は過去形といって、シンプルに過去のことを表します。
過去形は完了形とちがって現在との繋がりはありません!
(過去形)
I played tennis yesterday.
→昨日テニスをしました。
(完了形)
I have just played tennis.
→ちょうどテニスをしたところだ
「過去形の動詞+ed」と「完了形の動詞+ed」は別物です。
前者は動詞の「過去形」、後者は「過去分詞形」といいます。
見た目は同じなのでそんなに気にしなくていいと思いきや、困ったことに過去形と過去分詞形が「動詞+ed」じゃない動詞もあるんです。
中学校でこんな表を覚えさせられませんでしたか?
この表は「不規則動詞変化表」といって、名前の通り「不規則に変化する動詞」をまとめたものです。
僕は学生時代、この表のせいで決定的に英語が嫌いになりました・・
でも不規則に変化するのは「よく使う単語だけ」です。
たぶん、英語ネイティブの人が
「ed」付けると言いにくくない?
よく使う単語は例外として言いやすくしない?
って思ったんだと思います(勝手な推測です)。
不規則に変化する動詞はよく使うものばかりなので、英語をたくさん読んでいけば自然と覚えられます。
文法がわかれば単語力不足をカバーできる!
上級編として、英語が複雑になる4つの原因を説明してきました。
- 関係代名詞と関係副詞
:「A=B」の文や「A⇒B」の文がくっついて1つの文になる - 句と節
:「単語のかたまり」が形容詞や副詞になる - 動詞の活用
:動詞は変形して名詞,形容詞,副詞になる - 完了形
:過去の出来事が現在にも影響していることを示す
かなりややこしいことを説明しましたが、基本は動詞,名詞,形容詞,副詞でしたよね。
- 動詞:動作を表す
- 名詞:物の名前を表す
- 形容詞:「名詞」を説明する
- 副詞:「名詞以外」を説明する
英語には色んな「飾り」がついてややこしくなりますが、「骨組み」は次の2パターンだけです。
知らない単語だらけの英語を読むときでも、「骨組み」だけ理解できればなんとなくの内容を理解できます。
知らない単語は一生なくならないので、知らない単語への対処法を鍛えましょう!
ハリポタ英語を読んでみよう!
最後に、ややこしい例文を実際に読んでみましょう!
▼これはハリポタ1巻の序盤の英文です。
Mrs Dursley was thin and blonde and had nearly twice the usual amount of neck, which came in very useful as she spent so much of her time craning over garden fences, spying on the neighbours.
- 単語の意味
-
- thin : 細い
- blonde : 金髪
- nearly : ほとんど
- twice : 2倍の
- usual : 通常の
- amount of : 〜の量
- neck : 首
- come in : 役に立つ
- spent : 過ごす
- so much of : 〜の大部分
- crane : よく見ようとして首を伸ばす
- spy on : 偵察する
- neighbour : 隣人
▼骨組みは次の色付き部分です。
Mrs Dursley was thin and blonde and had nearly twice the usual amount of neck, which came in very useful as she spent so much of her time craning over garden fences, spying on the neighbours.
「動詞」「名詞」「形容詞」
▼次の3つの骨組みが接続詞「and」でつながっています。
- Mrs Dursley was thin
(ダーズリー夫は細い) - Mrs Dursley was blonde
(ダーズリー夫人は金髪) - Mrs Dursley had the neck
(ダーズリー夫人は首を持っている)
①と②はこれだけで意味がわかりますが、③はこれでは意味が成立してませんよね。
残りの英語は全て「どんな首?」を説明しています。
骨組みだけわかれば、「残りは首の説明か。まぁ飛ばしてもいいか」と思えます。
▼まずは「nearly twice the usual amount of」から。
Mrs Dursley was thin and blonde and had nearly twice the usual amount of neck, which came in very useful as she spent so much of her time craning over garden fences, spying on the neighbours.
「名詞」「形容詞」「副詞」
- nearly:ほぼ
- twice:2倍
- usual:通常の
- amount:量
- of:〜の
⏩nearly twice the usual amount of neck
👉通常の量のほぼ2倍の首
「ダーズリー夫人の首はとにかく長い!」ということが書いてあります
▼難しいのが「which」です。これが上で説明した関係代名詞です。
Mrs Dursley was thin and blonde and had nearly twice the usual amount of neck, 「which」 came in very useful as she spent so much of her time craning over garden fences, spying on the neighbours.
この「which」は「ダーズリー夫人の首がとにかく長いこと」を表していて、「A⇒B」のAになります!
「came in useful」は「役に立つ」という意味なので、「A⇒B」より「A=B」で考えた方がわかりやすいです。
which(ダーズリー夫人の首がとにかく長いこと)=役に立つ
残りは「首が長いのがなんで役に立つの?」という説明です
▼「as」は「〜だから」という接続詞です。
Mrs Dursley was thin and blonde and had nearly twice the usual amount of neck, 「which」 came in very useful as she spent so much of her time craning over garden fences, spying on the neighbours.
spentは「〜を過ごす」という動詞なので、
「as she spent her time〜」は
(首が長いのが役に立つのは)彼女が〜をして時間を過ごしているから
という意味になります。
最後は「どんな時間を過ごしているの?」の説明!
Mrs Dursley was thin and blonde and had nearly twice the usual amount of neck, 「which」 came in very useful as she spent so much of her time craning over garden fences, spying on the neighbours.
- so much of 〜:〜の大部分
- crane:よく見ようとして首を伸ばす
- over:〜の上を
- garden fence:庭のフェンス
- spy on:こっそり見張る
- neighbour:ご近所さん
👉「時間の大部分を庭のフェンスの上に首を伸ばしてご近所さんを見張って過ごしている」という意味になります!
「crane」と「spy」は動詞ですが、「ing」がつくことで「her time」を説明する形容詞になっていますね!
▼まとめるとこうなります
Mrs Dursley was thin and blonde and had nearly twice the usual amount of neck, which came in very useful as she spent so much of her time craning over garden fences, spying on the neighbours.
- ダーズリー夫人は細くて
- 金髪で
- 〜な首を持っている
- どんな首?
- 普通の人の2倍の長さの首
- それは役に立つ
- なんで?
- 〜な時間を過ごしているから
- どんな時間?
- 大部分を庭のフェンスの上に首を伸ばして、ご近所さんを見張って過ごしている
英語を読むときはこれぐらいの雑な日本語訳でOKです!
でも、日本語訳していると英語をスラスラ読むことはできません。
徐々に日本語訳はやめて、英語のまま理解できるようになりましょう!
英語を英語のまま理解するためには英語をたくさん読むことが必要です。
英語をたくさん読む「英語多読」のやり方は次の記事でくわしく解説しているのでぜひ読んでみてください!